能登半島地震の発生から1年が経ち、被災地では今、人口流出の問題が深刻化しています。被害の大きかった珠洲市、輪島市を取材しました。
被災地で加速する人口流出

山本恵里伽キャスター
「地震発生から1年が経ちましたが、崩れた家屋はそのまま。その瓦礫の上に、雪が降り積もっています」
能登半島地震で大きな被害を受けた、石川県・珠洲市。大雪の影響で倒壊した家屋の解体作業は中断していた。

山本キャスター
「傾いたまま、家財道具も、丸見えの状態ですね。中が全て、丸見えになっています。これ、半年前も同じ場所に…全く同じ状況でした」

地震で隆起したマンホール。1年経った今も、手つかずで残されている。

2024年元日、午後4時10分。最大震度7の大地震に襲われた能登半島では、災害関連死を含む、504人が死亡(2025年1月7日時点)。10万棟以上の住宅が被害を受け、181件の土砂災害が発生した。
被害の大きかった輪島市と珠洲市では、特に人口減少が加速した。

2024年1月時点の人口は輪島市で2万1903人、珠洲市で1万1721人だったが、県の推計では、いずれも9%減少した。
しかし、実際の人口流出はその推計をはるかに上回るという専門家の分析がある。
ロケーションマインド 柴崎亮介氏
「普通の意味の人口移動では、考えられないぐらいの量ですね」
輪島市の中心部では28%、輪島市中央では34%。さらに珠洲市外浦・若山、珠洲市内浦沿岸などでは37%も人口が減少したとみられるという。
個人を特定できないように加工されたNTTドコモの携帯電話の位置情報をもとに分析した。

ロケーションマインド 柴崎亮介氏
「同じ市の中でも、やっぱり中心市街地は人口減少が少なめですけれども、中央とか東に行くと(人口減少率が)かなり大きいという感じになります」
人口流出が激しい街では、何が起きているのか。珠洲市の若山地区を訪ねた。