自宅再建の目途は立たず「復興・復旧なんて夢のまた夢」

橋元泰博さん(83)は珠洲市・若山地区の仮設住宅で、妻と息子の3人で暮らしている。隣にある自宅は、天井や柱が大きく壊れ、住める状況ではなかったためだ。

番組では、地震の直後から橋元さんが車庫で避難生活を送る様子を取材してきた。

橋元さん
「復興・復旧なんて、夢の夢」

2024年6月、仮設住宅に移り住んだのを機に自宅は解体した。今その場所には…

橋元さん
「あの木がある手前から、ずっと家があったの。全部解体して、無くして。車庫だけ、残ってる」

家財道具や思い出の品は車庫に移し保管しているが、自宅を再建する目途は立っていない。

――半年前に「復興・復旧なんて夢のまた夢」とおっしゃっていた。その気持ちに変化は?
「変わらないね。こんな状況で。復旧があって、復興があるんですから。僕らの夢なんて到底追いつかんね」

この若山地区は、珠洲市の中でもとりわけ家屋の倒壊が著しかった。橋元さんの集落も約40世帯のうち、すでに半数が去っていったという。

橋元さん
「解体されるのを見て、皆泣いていた。解体される現場を見て、皆泣いて帰った。僕らはここにいるからと慰めるけど、涙止まらん。そんな状況」