今年も続く食品値上げラッシュ 「人件費の増加による値上げ」で良い方向に?

井上キャスター:
給料が上がる兆しが見えてきていますが、帝国データバンクによると、4月までに約6000品目が値上げする予定だということです。2024年と比較して約6割増です。

各品目の値上げ率は、▼冷凍食品など加工食品16%UP、▼菓子19%UP、▼酒類・飲料23%UPとなっています。

主な値上げの要因は、原材料の高騰、物流費の増加、人件費の増加があげられています。

日本はインフレになりつつありますが、“良いインフレ”は「給料が物価を上回る」といわれています。そのような国はあるのでしょうか。

経済評論家 加谷珪一さん:
一時期のアメリカやヨーロッパは物価と同じか、それ以上に賃金が上がっていたのですが、最近は少し物価高のほうがペースが速くなっています。また、成長していたときの日本は、物価よりも賃金がはるかに上がっていました。

2023年、2024年は、原材料費や円安の影響で物の値段が上がってしまい、価格を上げなければいけないという要因がありました。

2024年の後半から2025年にかけては人件費の増加による値上げが出てきています。

消費者にとって、値上げという意味では困ることですが、逆に給料が上がった結果として値上がりしてることなので、「人件費の増加による値上げ」が増えてくれば、わりと良い方向に回り始めるのではないでしょうか。

(その兆しは)かなりはっきりしてくると思います。はっきり出るのは4月の春闘ではないかと思いますので、結果に期待したいですね。

ホランキャスター:
物価高はいつ落ち着くのでしょうか。

経済評論家 加谷珪一さん:
為替の影響がすごく大きいので、これ以上円安が進んでしまうと、また値上がりになってしまいます。

日銀がどのような金融政策をするかによって為替の水準が変わってきますので、このあたりで円安が落ち着いたほうが物価にとっては良いですよね。

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<プロフィール>
加谷珪一さん
経済評論家 元日経BP記者
著書に「貧乏国ニッポン」
中央省庁などへのコンサルティング業務も