同じ勝ち星では絶対いけない

松下:シーズン成績を振り返ると、初年度は28勝という成績だった。首位のチームとは40ゲームほど、5位のチームとも20ゲーム以上差をつけられての最下位に終わった。球団社長としてはどのように考えているか。

池田:想定内といえば、想定内。ウチはゼロからなので、元NPB選手も福田秀平選手、田中健二朗選手、倉本寿彦選手と超一流の選手が入ってくれたが、とはいえ、7割からぐらいの選手が初めてファームリーグで戦い抜くという中で、そんなに勝てると思ってなかった。ウチは育成して、再生しながら、勝っていくことを大前提として挙げている中で、チームは(シーズン)後半強くなっているイメージがあった。ファンの皆さんを満足させる試合ができたかというところは、ちょっとまた別問題だが、健闘していたというふうには思う。

松下:1年目28勝にとどまった課題としてはどの辺りがあるか

池田:チーム力が圧倒的に、できたばかりのチームなので、(他チームと比べて)劣っていた。ピッチャーなら精度を上げていかないといけない。150キロ投げるピッチャーはウチにも何人かいるが、精度の問題が出てくる。バッターもいい打者はいるが、パワーが足りなかったり、確率が低くかったり、スピードが足りない野手がいた。守備力の面もそうだが、そこを全体的に底上げしていくことが大事。そこは個々の課題になってくるので、来季に関しては、毎月面談してどこを伸ばしていくかという点も取り組んでいきたい

松下:1年目のシーズンでの収穫を挙げるとすればどこになるか。

池田:収穫は「育成して再生して、勝っていく」ところの「育成」と「再生」の両方を、目標として達成できたところはチームとしては収穫かなと思う。移籍で西濱(勇星)投手がヤクルトに移籍したし、ドラフトで早川(太貴)投手が阪神にドラフト指名されたので、そこは一番の収穫だと思っている。

この数字をや最低目標として「育成1、再生1」をクリアして、さらに上積みしていくことを目指したいし、来シーズンはさらに勝ちにこだわっていきたい。半分の選手が残っているので、(今季と)同じようなスタートではない、ということから逆算すると同じ勝ち星では絶対いけない。さらに、そこの中に勝ちにこだわっていくようにやっていきたい。