アメリカ “トランプ前夜”のクリスマス【暮れゆく2024年】
アメリカ・ホワイトハウスは、クリスマスに合わせて動画を公開しました。

「平和と光の季節」をテーマに飾り付けた部屋を、ドローンで撮影。映像をバックにバイデン大統領のメッセージが流れます。

バイデン大統領
「クリスマスは、この地上に生きる人間として互いを思いやり、愛し合うことを私たちに語りかけています」
「メリークリスマス、ハッピーホリデー」
国民に呼びかけたのは、“団結”。

一方、年明けに大統領に就任するトランプ氏はサンタ姿の動画を公開。
トランプ次期大統領
「アメリカの大統領として祝福できることをとても光栄に思います。アメリカ、そして世界の皆さん、メリークリスマス」
挑発的なトランプ節も健在です。

トランプ次期大統領 SNSより
「政敵である私を攻撃している、極左の狂信者たちにメリークリスマス」
中東 続くガザ攻撃 失われる子どもの命【暮れゆく2024年】
クリスマスにも“分断”が垣間見える世界。

キリスト生誕の地とされる、パレスチナ自治区・ヨルダン川西岸の町、ベツレヘム。
キリスト生誕教会では、例年花火を打ち上げ盛大に祝っていましたが、2024年は2023年に続き、ツリーの点灯もなく、厳粛な雰囲気の中でミサが行われました。ガザ地区がイスラエルの攻撃によって壊滅的な被害を受けているからです。
エルサレム・ラテン・カトリック教会 ピザバラ総大司教
「このクリスマスが暗黒時代の終わりになることを祈ります。分断と暴力はもうたくさんです」

ガザでは、この年の瀬にも食料の配給に殺到する人々の姿がありました。イスラエルによる直接的な攻撃だけでなく、避難を強いられた劣悪な環境によって命を落とす子供たちが増えています。クリスマスの当日にも…

住民
「けさ目が覚めると、娘が舌を噛んで痙攣していました。寒さのせいで体が硬くなり、心臓が止まっていました」

家を失い、海岸でテント生活を強いられる中、生後3週間の赤ちゃんが凍死したといいます。

一方、アサド政権が倒されたばかりのシリアでは、クリスマスツリーが燃やされていました。少数派のキリスト教徒に対する不穏な動きです。
シリアのキリスト教徒
「我々もキリスト教徒として権利を求める。自分たちの名前と声を、憲法に反映させたい」
多様な民族や宗教がひしめくシリアは、独裁政権の崩壊後に一つになれるのでしょうか。