超低遅延での遠隔操作を実現
今回の実証実験は、TBS赤坂(映像ソース)‐NTT蔵前DC(映像機材本体)‐NTT武蔵野センタ(リモートパネル)の3拠点をIOWNで繋ぎ、行われました。

TBS赤坂「ひるおび」の生放送スタジオでは、同タイミングで映像ソース32系統(カメラ映像、VTR再生映像、中継映像、CGなど)すべてをIP化、非圧縮ST2110(注3)でNTT蔵前DCにIOWNで伝送しました。
(注3)映像・音声・メタデータをIPネットワークで同時に伝送するための規格の1つ。主に放送局設備での運用を前提に設計されているもの。
蔵前DCには、通常であれば放送局内に設置される映像設備のコア部分(映像スイッチャー本体、マルチビューワー本体、インカムシステム本体など)をすべて集約し、映像スイッチングなどのプロセッシング機能を持たせました。
NTT武蔵野研究開発センタは、スイッチャーのリモートコントロールパネルだけが設置されており、蔵前DCとIOWNで通信することで、ほぼ0ミリ秒という超低遅延での遠隔操作を実現。生放送に求められる即時性の高い映像切り替えやエフェクト操作なども、通常の運用と変わらない操作性で実行できることを確認できました。
また、今回は1台のIPカメラを検証用に「ひるおび」スタジオに設置し、実際にNTT武蔵野からカメラタリーやインカムによる指示出しも問題なく行えることも確認しました。
生放送番組の全映像ソースを扱いながら、安定した品質と運用性を確保できたことは、IOWNを活用したリモートプロダクションの可能性を高く評価する結果と言えます。
