コバルトブルーの青花がぎっしり「北欧のヴェルサイユ」

ドロットニングホルムの宮殿

スウェーデンの世界遺産「ドロットニングホルム宮殿」。ここは湖に浮かぶ島に築かれた離宮で、「北欧のヴェルサイユ」とも言われます。

ドロットニングホルム宮殿の「磁器の間」

宮殿には「磁器の間」と呼ばれる特別な部屋があり、そこには中国から輸入したコバルトブルーの青花がぎっしりと陳列されていて、いかに珍重されていたかがよく分かります。ちなみに「なんとか自前で磁器を作りたい」とヨーロッパ各国は中国磁器の研究を重ね、18世紀ついにドイツのマイセンで磁器を作り出すことに成功し、中国の磁器の独占体制は崩れました。

磁器の間

イランで誕生したコバルトブルーが、シルクロードで青の都を生み、さらに東の中国で青い染付の磁器を生み、それが海を越えてヨーロッパに運ばれ王侯貴族の秘宝となる…コバルトブルーが生んださまざまなものが、東西の世界遺産になっているわけです。

執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太