熊本県で12月1日に行われた『第49回 熊本甲佐10マイル公認ロードレース』。高校時代を熊本で過ごした留学生が兄弟でデッドヒートを演じました。女子では中距離のエースが「日本記録」を更新です。

【5km女子の部】

日本記録保持者の田中希実(たなか のぞみ)(25)が出場した「5km女子の部」。序盤から外国籍のランナーが飛び出す中、田中は懸命に追います。

優勝したキヤノンアスリートクラブ九州のアグネス・ゲティッチ(24)が終始レースを引っ張る中、田中は、「調子が悪かった」と言いながらも、自身の持つ日本記録を9秒更新。日本人トップの2位(15分25秒)でフィニッシュしました。

田中希実選手「かなり気候も良かったり、地元の方々の温かい眼差しもあったり、自分の調子以外はプラスに働くものしかなかったので、(調子が)悪い中でも自分の最低限の走りを、今出せる全力はちゃんと出せたかなと思います」

また、肥後銀行女子駅伝部ケニア出身の18歳ダイアナ・チェロティッチが、県関係トップの4位でした。

【男子10マイルの部】

男子10マイルは、一般競技者の部の日本人ランナーと国際競技者の部の外国籍ランナーが同時に走る約16kmのレースです。

まずレースを引っ張ったのは、マラソン元日本記録保持者の設楽悠太(したら ゆうた)(32)。

中盤以降、前に出てきたのがナンバーカード「101」、ケニア出身でトヨタ自動車九州のマイナ・アントニー(21)。そして、それをマークするのが白地に「S」のユニフォーム、専大熊本高校出身で専修大学1年のマイナ・ダンカン・ガツクミ(20)です。

実はこの2人、走るために日本にやってきた兄弟。兄弟で最後まで熾烈な先頭争いを演じます。

優勝は兄のアントニー(46分7秒)、高校時代を熊本で過ごした弟・ダンカンが2位(46分8秒)で、国際競技者の部はマイナ兄弟がワンツーフィニッシュでした。

マイナ・ダンカン・ガツクミ選手「(沿道に)俺の友達のお母さんとお父さん、おばあちゃんがみんな来ていた。初めての10マイルで2位だから、めっちゃ嬉しかった」

【写真を見る】兄・アントニー&弟・ダンカン マイナ兄弟の2ショット(ダンカン選手提供)

一般競技者の部は、順天堂大学1年で両親は熊本県出身というの玉目陸(たまめ りく)が制しました。