柏原さんに聞く「勝負の分かれ目」
勝負の分かれ目はどこだったのか、柏原さんに聞きました。
柏原竜二さん「まさか3秒差の決着が起きるなんてと思うし、この歴史に残る名レースだったんじゃないかなと思う」
最後の第15中継所。トップのいわき市と2位の郡山市の差は「10秒差」。
最終16区8.4キロを走るアンカーは、いわき市が富士通の村上康則選手(40)。追う郡山市は城西大学1年の橋本健市選手(19)。箱根駅伝出場を狙う若者と、日本選手権1500メートルなどで優勝した実力者の対決です。
早くも1キロ過ぎで、郡山市の橋本選手が村上選手に追いつきます。
柏原竜二さん「後ろの郡山の橋本選手がもう追いついてくるのは想定済み、そこからどこでラストスパートをかけようかというところだと思うし、郡山の橋本選手に関しては、1キロでも早く選手に追いついてスパートに備えたいという思惑があったと思う」
前に出る橋本選手、背後にぴったりとつく村上選手。ポイントは、どのタイミングでラストスパートをかけるのか。村上選手をよく知る柏原さんは、村上選手が年齢的に何度もスパートはできないなか、2人の駆け引きがあったといいます。
柏原竜二さん「何回か仕掛けたタイミングがあった。沿道に映るガラスを見て、村上さんがいるのかな、どういう表情をしているのかなというのもチェックしながらやっていたが、やはりそこはレース巧者の村上康則選手で、それを見透かしたようにまた後ろにピタッとついて、それもわざときつい顔をしなかったんじゃないかなというぐらい心理戦が展開されていたなと思う」
19歳と40歳の真剣勝負。駆け引きは残り1キロを切っても続き、ラストスパートをかけた橋本選手に、村上選手が食らいつきます。