がん免疫治療薬で『みんな治る』のがゴール
新しい研究室への引っ越し作業が佳境を迎えた8月、半世紀にわたって記録した研究ノートや資料も新たな場所に移ります。
がん治療に革命をもたらしたと称された免疫治療薬の発見。結果をすぐに求める社会の風潮や若き研究者たちに釘をさすと共に、エールを送ります。
(本庶佑さん)「(若い研究者が)小さな会社を起こして独立するよりも、大きな発見があれば特許で十分なリターンがあるわけですよ。(Qご自身の研究には?)全然満足できない。がん免疫治療薬が初めて効いたとかそういう話ではなくて、本当にみんながこれで治るというのがゴールといえばゴール。100%(治ると)ね。それはなかなか難しい。簡単にはいかない」
50年以上の研究生活を経ても、医学の世界は未知という本庶さん。「がんを治す」難しいゴールに向かって、最後の大仕事にこれからも取り組みます。