耳かき1杯分の燃料デブリ、何が分かる?
燃料デブリの分析をするJAEAとは、どのようなところなのでしょうか。
日本原子力研究開発機構(JAEA)とは、国内唯一の原子力の総合研究機関で、国からの予算を中心に運営されている国立研究開発法人です。国立がん研究センターや、宇宙航空研究開発機構(JAXA)も同じ国立研究開発法人です。

JAEAの前身となる原子力科学研究所は、1956年、今から68年前に発足して、原子力発電の研究や核燃料サイクルなどの研究を重ねてきました。2011年の福島第一原発事故のあとは、廃炉に関する技術開発にも努め、廃炉の作業用ロボット開発のため、楢葉町に遠隔技術支援センターも設けています。

今回取り出した0.7グラムの燃料デブリは耳かき1杯分ですが、多くの情報が得られると期待されています。今後、分割して、複数の研究施設で分析されますが、その中心の役割をJAEAの研究施設が担います。今後は、その固さからどんな成分が含まれているか、核物質がどの程度含まれているのかなど、さまざまな面で分析が行われます。

880トンあるとみられる廃炉最大の難関、燃料デブリの本格的な取り出しに向けて、どれだけの情報が得られるか、注目が集まります。