原発事故発生 同業者が次々廃業する中で…
ウッドコアで製造するのは、板状の木材を貼り合わせた「大断面集成材」と呼ばれるもの。その特徴は、「強度」と「耐久性」です。
天然木材は、木目などの影響で、反って変形しやすい特徴があります。一方、集成材は、板状の木を貼り合わせることで、木の持つ反発を減らし、強度が維持できるメリットがあります。

ウッドコアでは、県産木材を中心に、年間1万5000立方メートルを製造しています。
朝田さん「(原発事故で)人口がゼロになった時点から、13年が経ったが、その中でこういった工場ができて、福島の復興をアピールしたい」

原発事故で一時、全町避難を余儀なくされた浪江町。朝田さんは、その3年後、110年あまり続く朝田木材を継ぐため、家族と離れ、故郷に戻ることを決意しました。
朝田さん「先祖からやってきた木材を使う商売を私の代で失くしていいのかという思いがあった」
しかし、原発事故の影響で県産木材に対する風評被害は根強く、町内にあった同業者は次々と廃業していきました。
朝田さん「お客さんすらいなくなってしまったところから始まっているので、どうやってお客さんを作るかが一番大事というか苦労したところですね」
心の支えになったのが、母・邦子さんのメッセージでした。
朝田さん「これは私の母が震災後、こういうのが大好きで(作った)」

会社に飾られているフェルトに刺繍されたのは『ガンバレ、朝田木材産業』という文字。「家業」そして「故郷の林業」を守り続ける。国内有数の木材製造拠点を目指し、朝田さんは、郡山市の企業と共同でウッドコアを設立しました。