中絶問題に言及避けるトランプ氏に 保守派は「非常に腹を立てています」

一方で、選挙戦が終盤にさしかかり、トランプ氏が中絶問題に直接言及することを避ける様子もみられる。
そのトランプ氏を厳しい目で見つめているのが、キリスト教保守派「福音派」の信者たちだ。
村瀬キャスター
「テネシー州は“バイブルベルト”と呼ばれていて、とても敬虔なクリスチャンが多い地域、つまり共和党の牙城になっている地域です」

屋根にアメリカ国旗が描かれた愛国者教会。この日は日曜日で礼拝が始まろうとしていた。星条旗の横にはイスラエル国旗が飾られ、イスラエルへの支持を打ち出している。

ケン・ピータース牧師(52)
「先週、カマラ・ハリスの集会には10人の中絶支持者がきました。中絶がいかに素晴らしいか話したのです。10人ですよ。そこにはクリスチャンの歌手、ビヨンセもいました」
信者
「トランプです、絶対に」
「トランプに投票します」
――トランプ氏はキリスト教の価値観を体現している?
信者
「彼の政策はそうです。異論があることもわかっています。彼は意見の対立を招きやすいですから」
「トランプは前政権の時にアメリカにビジネスを取り戻しました」

――民主党(の中絶政策)については?
「中絶は重要だけど過剰に強調しすぎです」
ピータース牧師は他の州で21年にわたり教会を運営していたが、現地の中絶クリニックへの抗議活動で訴えられ、日本円で1億4600万円の賠償を命じられた。その後テネシー州に移り、4年前、この地で新しい教会を始めたという。
ピータース牧師
「民主党は数十年前の党のあり方から、すっかり変わってしまいました。中絶に賛成しているし、12、3歳の子に自らの身体を切り刻んでトランスジェンダーだというのを許しています。ハリスは国境を開くことも推進しています。この3年半で移民は急激に増えました。ハリスは邪悪な存在です」
最近、トランプ氏が中絶についての態度を明らかにしないことについては…
ピータース牧師
「私は彼に非常に腹を立てています。福音派全員が彼に怒っています。しかし、彼がそうする理由もわかっています」

――テネシー州では近親相姦やレイプも中絶はできない。行き過ぎでは?
「非常に難しい問題です。強姦された女性が妊娠を続けるのは残酷だと感じます。しかし、お腹の中の子どもを殺すことで女性の傷は癒えないとも思います。殺すなら性暴力犯を殺すべきです。赤ちゃんは何も悪いことはしていません。左派と一つになることはできません。私の意見では彼らはクレイジーです。性別が何かもわかっていない。男性とは、女性とは、もね。そんな人たちと共に行動できません。ではどうするべきか?わかりません」

















