27歳の“おじいちゃん・おばあちゃん世代にも…”が87歳の心に刺さった

大館市 石田健佑 市長
「選挙で掲げたキャッチフレーズが“子や孫世代と共に栄える大館をつくる”でした。私の人生を振り返ってみると、いつも分岐点には家族、おじいちゃん・おばあちゃんがいたんです。とにかく私のおじいちゃん・おばあちゃんは、挑戦するときに絶対に応援してくれるんです」
石田市長が、市長選挙で掲げたキャッチフレーズが“子や孫世代と共に栄える大館をつくる”でした。そう掲げた理由の1つは、80歳を超えた祖父母の存在。
青森市の高校を卒業後、石田市長は東京の大手企業に就職しましたが、祖父母が住んでいる大館市に2018年に移り住み、双子の弟ともにカブトムシの飼育や、廃棄物をカブトムシの“えさ”にする研究を行う会社を立ち上げました。この時に背中を押してくれたのが祖父母です。
大館市 石田健佑 市長
「父親や友人からは『大企業にいた方がいいんじゃないか』と言われるのですが、おじいちゃんとおばあちゃんだけは『絶対チャレンジした方がいい、どんどん挑戦しろ。ダメで元々なんだから。何かあったら飯食わせるから』って言ってくれるんです」
田舎館村 鈴木孝雄 村長
「うわ~すごい!」

田舎館村の高齢化率は37.2%(2月1日現在)、大館市は41.4%(7月1日現在)でともに『超高齢社会』という課題を抱えています。この課題の解決策の1つとして、石田市長が“子や孫世代と共に栄える大館をつくる”と掲げたことに、鈴木村長は大きく頷き、感心している様子でした。
5人に2人が高齢者の街 “共に栄える”とはどんな街?

大館市 石田健佑 市長
「ただただ若い人のための政策をやるんじゃなくて、若い人たちがここに残って働いてくれる街をつくれば、おのずと、おじいちゃん・おばあちゃん世代にも還元されるんだと選挙で訴えて市長にならせていただいたので、それをしっかりと果たしていきたいと思っています」
田舎館村 鈴木孝雄 村長
「いいね」

熱く語る石田市長に、「いいね」と力強く声をかける鈴木村長。「若い市長がどんな夢やロマンを持っているのか聞きたい」その目的を達成したことへの満足感が込められているように感じられました。
村長にだって引退後も「あれもこれも」やりたいことがまだある

最年少首長の若い考えに目を輝かせながら聞き入る鈴木村長に、石田市長が引退後にやりたいことを聞きました。
大館市 石田健佑 市長
「村長も引退されても、何かいろいろと村のためにきっと働かれるのかなと思いますけど」
田舎館村 鈴木孝雄 村長
「正直言ってね、『あれもやりたい、これもやりたい』ということがまだある」

鈴木村長は、稲作で同じ面積からより多くの米を収穫する栽培技術の研究を紹介し、引退してもなお、村の米づくりの発展に力を尽くしたいという意気込みをみせました。

『青森』という共通点と最年長・最年少という“年齢”の縁から対談が実現した2人は、人一倍その“年齢”に悩まされ、“年齢”に関係なく住民の暮らしを良くしたい、挑戦したいという志でも一致していました。