発覚後 園「(防犯カメラを)5分ほど見た中では見当たらなかった」
ホラン千秋キャスター:
録音は14時間に及んで、その中であれだけの実態が出てきました。日常的に何度も繰り返し、心理的虐待が行われていたと推察できます。
その状況をどうにかして欲しいのに、なかなか積極的に調査や対策に入っていけない部分については、どう捉えればいいんでしょうか。

TBSテレビ 調査報道部 樫田小夜 記者:
現在の調査のあり方に多くの課題があると思います。立ち入り検査について、認定こども園法には「犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない」と定められています。行政として、踏み込んだ対応がしにくい状況にあるということがあります。

虐待が発覚した後に、八尾市は「防犯カメラの確認」を園側に要請をしていましたが、当該の認定こども園側は「時間がなく少ししか見ていないが、5分ほど見た中では見当たらなかった」と回答。やり取りは、これで終わっています。
14時間の録音データがありますが、園が確認した防犯カメラは5分ほど、という状況で調査が終わっていることになっています。
井上貴博キャスター:
今回のケースもそうですが、家庭・学校である「いじめ」や「虐待」の事案は、それらがないことを前提に話は進んで、保身になることが結構あると感じています。
企業・政府の不祥事の対策もそうですが、それらがあったことを前提にして、いかに徹底的に調査ができるか。その情報をしっかりと公開できるか、透明性を確保できるか、この初動を間違うことが最大のリスクだと思います。

オンライン直売所「食べチョク」秋元里奈 代表:
今回は、園ももう少し何か手を打てなかったのかと感じてしまいますね。
お子さんはまだ2歳でも喋れると言っても、おそらくこの状態が異常だとわからないと思います。やはり被害者側から声が上げづらい。今回、たまたま保護者が勇気を出したからこそ発覚しましたが、それ以外の子どもたちも影響を受けているわけで、ブラックボックスになりやすいと思います。
今回は保育園ですが、特にガバナンス面、園側が密室で何が行われているか、何か声が上がったときにしっかり調査をすることは徹底しなければいけないと思います。