「ネバーギブアップ!」 その思いとは別の方向へ

日本被団協 代表委員(2005年当時) 坪井直さん
「原爆の最大の被害は、例え生き残っても精神的・身体的な人間破壊は生涯続くのです」

そして、その活動は、世界の首脳の気持ちを突き動かし、2016年、アメリカの現職大統領が、初めて広島を訪れることになります。

20歳で被爆し、代表委員を務めた坪井直さん(当時91歳)は、「核なき世界」を訴え、平和賞を受賞したオバマ大統領に「一緒に頑張りましょう」と声をかけたそうです。

日本被団協 代表委員(当時) 坪井直さん
「あきらめるなよ、ネバーギブアップ!」

しかし、その思いとは別の方向へ、世界、そして日本も進んでいきます。

2017年、122か国の賛成で「核兵器禁止条約」が採択されましたが、その場に核保有国の姿も、唯一の被爆国・日本の姿もなかったのです。

そして今、世界は再び「核の脅威」に迫られています。ウクライナへの軍事侵攻を続けるプーチン大統領は「核の威嚇」を続け、北朝鮮もまた、核兵器の使用をためらわないと脅しをかけています。

さらに中東では、核保有国のイスラエルが戦線を拡大。中でもガザでは、子どもを巻き込む攻撃が長期化しています。

日本被団協の箕牧智之さんは、3歳の時、広島で被爆しました。

日本被団協 代表委員 箕牧智之さん
「ガザの子どもが血いっぱい出して抱かれとる。80年前の日本と同じよ。重なりますよ」