いいものを作っているのに売れない。こうした企業の悩みを解決するデザインの力が注目されている。経営を強化するブランディングデザインとは一体どういうものなのか。川越市のコエドブルワリーや福岡市の警固神社などの再生を成功に導いてきたエイトブランディングデザインの西澤明洋代表に聞いた。

■経営はデザインで強くなる


エイトブランディングデザイン 西澤明洋代表:
ブランディングデザインで日本を元気にするというコンセプトを掲げています。経営は確実にデザインで強くなると考えています。初めに自己紹介するときに僕を御社のデザイン部長みたいなものだと思ってくださいと。


エイトブランディングデザインはいいものを作っているのに売れないという企業に対し、その良さを正しく伝えることで多くの人に手に取ってもらえる状況を作り出している。デザインとコンサルティングのハイブリッドの形で、これまでの16年間で100以上のブランドの再生や新ブランドを立ち上げてきた。

■「リブランディング」で売上6倍に


デザインで再生した企業のひとつが埼玉県川越市のコエドブルワリーだ。同社の「コエドビール」は1990年代後半の地ビールブームを受け人気を博したが、ブームが終わると売り上げも減少。朝霧重治社長は本場ドイツから受け継いだ醸造技術やバリエーション豊かな味わいをもっと世の中に伝えたいと、ブランドの刷新を決断。2006年、地ビールからクラフトビールへの生まれ変わりを図った。


協同商事 コエドブルワリー 朝霧重治社長:
以前は観光地の土産物で地ビールという言葉自体がネガティブに捉えられていました。表面的に見えるところだけではなく、言葉や商品そのものやそれを伝える広告、広報を一気通貫した形で準備するところが戦略上の大きなポイントでした。


ロゴのデザインをはじめ瓶やパッケージ、WEBも一新。販路も地元の土産店から東京の百貨店や高級スーパー、レストランへと拡大した。その結果、売上はリブランディング前と比べて6倍に成長した。