■「作る」と「伝える」の両輪が大切な時代

――ブランディングとは、ほかとの違いをはっきりアピールして伝えていくということか。
エイトブランディングデザイン 西澤明洋代表:
ブランドという言葉は、ヨーロッパの牛飼いが放牧していた自分の牛に焼きゴテで焼き印をして他と区別したというのが語源です。ブランディングデザインを「差異化」としているのは、いまは多くの商品が現れているので焼き印をしたぐらいでは差別化できないのです。先ほどのMCCにもありましたが、企業の考え方の根っこ、そしてそれに基づくサービス、コンテンツ、さらにコミュニケーション、これらが一貫性を持って根元からほかとは違うと差異化された状態を作るのがブランディングだと思っています。これができるとうまく「伝言ゲーム」されていくのです。(商品が人に)勝手に伝わっていく。広告などはお金をかけて一方通行で広く伝えることができますが、このインターネットが発達した社会では人から人に自然に伝わるという状態が非常に大事で、現場では「差異化」と「伝言ゲーム」というのを非常に意識してデザインに取り組んでいます。
――いいものをつくってさえいれば売れる時代はとっくに終わっている。自分たちの商品がどう違うのかをはっきり伝えるということをしていかないと物は売れない時代になっているのか。
エイトブランディングデザイン 西澤明洋代表:
そうです。外からプロのデザイナーとして入って行く時にハッと思うのが、企業の皆さんは作ること、サービスを提供することをすごく一生懸命されるのですが、伝えるという意識が意外と抜け落ちているのです。いいものを作ったら勝手に伝わると思っているのですが、いまの時代は「作る」と「伝える」の両輪をしっかり持つことが何より大切かと思います。
企業のあり方やストーリーが問われる時代だからこそ、ブランディングが大事なのかもしれない。
(BS-TBS『Bizスクエア』 9月3日放送より)














