給食は重要なインフラ
九州有数の小麦の産地として知られる大分県宇佐市。この日の和間小学校の給食に出されたのは、地元産の小麦で作られた冷凍パンです。

市内では、2016年度に業者の撤退で一時多くの小中学校でパン給食が途絶えました。現在は、地元業者が開発した冷凍パンを購入しています。パン給食は月2回程度ですが、子どもたちに大変人気があります。
児童「もちもちでおいしい」「いつものパンよりちょっとおいしい」
――ご飯とパンはどっちが好き?
児童「パンです。週4回ぐらい出てほしい」
上野恵美栄養教諭:
「おいしいと大きな反響がありました。いろんな国のおかずを出すなど、食が多様化してきていますので、少しでもパンがあると献立として立てやすい」
和間小学校では、5年生が自分たちの給食に使われる小麦を栽培。パンができるまでの過程を学びながら、感謝の気持ちを育んでいます。

担任の先生:
「たくさんの人の力のおかげでパンができて、食べられているということを感じながら感謝の気持ちを持ってパンを食べてほしい」
日本文理大学の長崎准教授は、給食の意義と安定供給の重要性を指摘します。
長崎准教授:
「お腹を満たすだけではなく、栄養教育や地域のことを知る教育的な役割は非常に大きい。給食を供給する仕組みは重要なインフラです。そこの維持ということについては、行政も積極的に関与していく必要はある」
子どもたちにとって学校給食は、適切な栄養を摂取し、食事について理解を深めながら学校生活を豊かにする場でもあります。パン給食をめぐる問題が浮き彫りになる中、継続に向けた対策が急務となっています。