■組織委員会の理事にお願いするのは当然
ーー例えばその高橋さんにお願いをすると、そのスポンサーって…
あなたは本当に予見に囚われているよ!あの人は理事なんだから、ね。あの人は理事なんだから、組織委員会の理事にお願いするっていうのは当然じゃない。組織委員会の理事なんだよ。
ーー角川さんとして率直にスポンサーをやりたいというときに、高橋さんからどういったアドバイスを受けられたんですか?
「うん、結構ですね」って。
ーー結構ですねというのは、その現状は、例えばさっき仰っていたように他社もいて…
そういう話は出ないんですよ、お願いに行ったんだから!セレモニーですから。だから皆さんもね、TBSも出してるんですよ、映像も流して。それから新聞社は全部、全部同じパターンだと思うんですよね。違うかな。
ーー記憶の限りでいいんですけども、その会というのは招致が決まった後、スポンサー契約の何年前とか、大体の記憶で結構なんですよ。
いや、それが無いんですよ。だから、その時にはもう既に決まっていたんで、ご存じの通り出版って一社だけだった、最後の。もう角川に先行してる出版社が降りちゃったんですよ。降りちゃったから、角川だけなんですよ。角川だけだから、角川に来るに決まってるんですよ。
ーー会長が高橋さんにお会いして、なりたいという要望を伝えましたよね。この時にはまだ他の社がいる状態?
そうですね。先行している会社があるっていうことも現場から聞きました。
ーー当時、枠が1枠のところで、会長が相談されたときにはもう1社手を挙げていたわけではないですか…
そうですね、僕1枠だと思ってるんです。だから、KADOKAWAが申請すれば、2社で2分の1になるじゃないですか。合理的でしょ。
ーーそれルール上はなっていないわけで、高橋さんにはやっぱりもう1社入れられて、2枠にすると…
そういう話は一切出ません。だから僕は、もう角川だけが決まっているのに、今度は電通が何か走り回って、もう1社集まってるっていう話を、うちの当時のトップが雑誌協会で聞いてきて、僕は白けたのを覚えているんですから。
ーー初めてお会いした場には、前社長もいらしゃった?
いやいや、僕と現場の2人です。合計3人だったと思いますよ。
■その人が悪い人だって何で思うのかっていったら、新聞に載っているからでしょ
ーー当時高橋さんの知人と、高橋さんがいらっしゃって…
いやもちろんその2人を強調したって、僕はね10人ぐらいいて、囲まれてるわけですから。だから、その2人を強調すること自体が、皆さんがあるロジックに入り込んでいて、どうしても高橋さんにしたいとか、どうしても知人の人にしたいとか、そういうことを言いたいために、そういうふうに話を誘導しているようにしか思えないんですよ。
ーー客観的にお伺いしますが…
だから僕はあなた方にこうやって直に話してるのは、ある種、信頼しているんだからね、僕はその、高橋さんが何だろう、裁判も何もされてないのに、そういう人ですよって言われてね、確かそういうことを質問されたことありましたが、悪い人なんですよねとか。でもそういうことって何も知らないわけじゃない。その人が悪い人だって何で思うのかっていったら、新聞に載っているからでしょ。そういうのって失礼だと思わないかな。
ーー重々承知した上で、お聞きしたいんですけど先ほどのところで、もちろん7000万円までは高橋さんの知人の会社に対してコンサル料という形でお支払いされたということを仰ったと思いますけども…
だからそういう話しに、どうして、歪曲されるのかな。そこのところはさ、あなた方は新聞記者なんだから、そういう立場の、新聞記者は全体像を掴んでそうすれば良いんであって、そこに何か捜査みたいな、僕は捜査中だから言えないって言っているのに、捜査の話ばっかしたがるじゃないか。
ーー捜査の中身については、もちろん東京地検が主体となって捜査されるでしょうし、そこは我々も預かり知らぬところなんですけども、ただ会長のご認識として7000万円というのは、高橋さんの知人に五輪のうちどういった面で…
そういうこともさぁ、それも、あなた3回目ですよ、きっと。全部録音して、あなた方で録音して検証して!3回目ぐらいですよ。
ーーもちろんそうなんですが…
だからそんなことはね、僕はもう思っていなかったし、それは捜査がそういうとこに行くんなら、それでいいと思うんだけど、それで良いじゃないですか。だから何で僕は、当たり前にこういうことがあれば、企業っていうのはみんなアドバイザリーを求めたり、それから会社で契約してますよ。それを手続きをちゃんとやっていますのでね。
ーー高橋さんの知人の会社の方は、もちろんお支払いした代わりにコンサルとしては、具体的な中身としてはオリンピックのこと以外も色々とコンサルしていただいてたんですか?
その報告書も上がってますよ。その報告書も皆さん1回見たらいいじゃないですか。
ーー報告書っていうのは…
アドバイザリーの報告書です。
ーー例えば社内でこの件が発覚してから報告書をつくった…
発覚ってなんですか!発覚もおかしな言い方だけれども。
ーー捜査を受けて…
まだ捜査中だから発覚も何もないじゃない。僕が聞いたのはちゃんとレポートもらってますよって言ってましたよ。
ーーそのレポートには当然オリンピック以外のそういったことが…
それは覚えていません。でもあなた方は、それはもうおそらく検察が持っているから、それを見たいって申請すれば見れるんじゃないの。
ーーいや、それは見れないですよ…
じゃあ、もうちょっと時間かければいいんじゃないですか。そうしたら見れますよ、きっと。
■賄賂を渡した認識は「全くありません」
ーーご自身として不正があったという認識は無いということなんでしょうか?
僕は不正があったっていうことを、その社員が不正したかということについては、僕は信じたいですよ。そういうことをしろと言った覚えは全くないしね。そんなことまでなぜしなきゃいけないんですか、KADOKAWAに来るに決まっていて。その前提条件を考えてくださいよ。1社しかなくて。
ーー賄賂を渡したというご認識は?
全くありません、全くありません。僕はそんなに心が卑しくね、今まで50年も経営をしたことはないんですよ。それ一緒にしないで!もう。それはもう皆さんの企業だって、10年に1回はこうやって言いがかりみたいな事件ありますよ。でもその時にね、自分たちがそんなさもしいことをしなきゃね。だって、こんな小さなことなんですよ、KADOKAWAにとっては。そのために自分たちの精神を汚してまでも仕事をしろなんて言いませんよ。
ーー事実関係のみを我々はきちんと聞き取る必要があると思っていて…
だって事実関係って、まだ全体の構図は分かってないじゃん。
ーーもちろんです。ただスポンサーになりたいということは、最初、KADOKAWAさんの方から高橋さんに相談して…
高橋さんじゃないです!くどいようだけど。組織委員会であり、それから電通なんですよ。なんでその構造を外そうとするの?
ーーそうすると…
もう1回あなたから言って!その言葉を。組織委員会から…
ーー組織委員会から…
それから電通。
ーー電通ですよね。当時、高橋さんと、高橋さんの知人と…
だからどうして高橋さんなの!組織委員会の理事の人って言ってくださいよ。なんでそこに話、蟻地獄みたいにしてね、話がそこに何回も何回も行くけど…
ーー高橋さんとお会いした時に、そういう具体的な話はされていない?
していない。現場がやっていますから。
ーーその後に高橋さんとお会いしたことありますか?
だから2回ですよ。ありましたね。
ーー時期覚えていますか?
その時もね、その後もちろん後ですけれども、その時もね、また僕も「なんかずいぶん遅いですね」って言ったの覚えてるんですよ。
ーーずいぶん遅いとは?
その、あの、認可がおりるのがね。そういうときに「Tier3」だからねって言われて。「Tier3」だからって。
ーーどなたが仰った?
いやいや、高橋さんが。で、またみんなやりましたよ、こうやって。同じ組織委員会で。君たち「Tier3」でももっと手早くやってあげなさいよって言ったから。これでお願いしてよかったなと思っていたんだけどね。
ーー2回目も組織委員会で?
そうです。
ーーその時どなたがいらっしゃった?
それはもう向こうで調べれば、検察は知っていますよ、きっと。僕たちはね、誰に会ったかなんて中々ね、解散しちゃったんでね、分からないので。あなた方なら組織委員会でその誰が同席したかもね、全部分かると思うよ。
ーー差し支えなければKADOKAWAさん側で同席された方について現場の方と仰いましたがどなたか…
それ僕の名前からはね、僕の口からは…
ーー幹部の方になるんですかね。
えー…社員、担当した社員です。
■「1億にちょっと毛が生えたようなもん」 スポンサー契約金は半額に
ーー結局その早くしてくれと会長から言って、これ実際早まったっていう感覚はあるんですか?
もう邪険にされたなっていう感じでね、笑っちゃうんだけど。だから許可が降りたというときには、へぇ降りたか良かったねっていう感じでしたね。もう会社の関心事はね、もうその時ははっきり言って、全部でしたよ。
ーー結局そのスポンサーの契約の金額があったと思うんですけども、このスポンサー契約額っていうのは、例えばちょっと安くなったりとかそういったことは…
安くなりましたよ!だからそれは2社で負担しなきゃいけないということになったんで、2分の1になったな、良かったねって言っていたんですよ。
ーー半額になった?
半額になったよ。いやその時もよくあれだけど…
ーー大体の…
だからそれはね、アバウトなこと言ったらね、それ1人歩きしちゃうからさ、だから、それは失礼だよ、失礼だよね。だけど、大した金額じゃないよ。
ーー5億、10億…
え?いや…そう…数千万ではないけど、1億にちょっと毛が生えたようなもんだと思いますよ。
ーーそれで言いますと…
そういうことも知らないの?知ってて僕に質問しているなら、それは失礼じゃないか。
ーー事実関係の確認として…
なんだよ、そのこと知っていて僕に聞いているんだったらちょっと何か、何かリスペクトをもってこうやってお話していることが無意味になるよ。
ーー各社代表していて聞いているもので、みんなが知っているわけではないので、失礼しました。
だから本当にね、知っているんだったらね、逆にこういう話がありますけどって言った方が良かったぐらいですよ。だけどまぁ今日はこれでおしまいにしますね。それでそれ以上のことはね、ちょっとやっぱり捜査を見ながらね。捜査中だから、その捜査に関わることに話をしてはいけないって言われたのに、ちょっとお話をしすぎたかなという感じがするぐらいですから。