「温暖化の影響が少ない氷河」も顕著な後退

高さ70メートルの氷河が湖に崩落する瞬間

アルゼンチンの世界遺産「ロス・グラシアレス国立公園」にも、1日に2メートル、年間600メートルというスピードで流れていくペリト・モレノ氷河があります。これは海ではなく湖に流れ込む珍しい氷河で、アンデス山中から35キロも流れてきて、湖に崩れ落ちます。ここも番組で撮影したのですが、高さ70メートルもある氷の壁が大崩落する映像は大迫力でした。

ペリト・モレノ氷河は前進と後退を繰り返しながら、平均すると大きさに恒久的な変化が見られなかったことから「温暖化の影響が少ない氷河」といわれてきました。しかし、そのペリト・モレノですら、2021年頃から顕著な後退を続けており、かつてのように前進に転じて大きさを維持できるのかどうか分からなくなってきています。もしかすると、このまま後退を続けて小さくなってしまう恐れがあるのです。