“カオス”選挙での投票 議員一人一人が判断へ
従来の自民党総裁選では、派閥がその行方を左右してきたが、今回の総裁選は端的に言えば派閥が機能しなくなった“カオス(混沌)”の選挙と言える。

このため投票権を持つ所属議員の一人一人も従来のように派閥や幹部の指示に従うのではなく、「自分の考え」に基づき投票しなくてはならない状況だ。
場合によっては1回目の投票で明らかになる党員・党友票の獲得数を参考にするかもしれないし、4日前に選出された立憲の新代表の言動を意識して投票するかもしれない。
70年近い自民党の歴史の中でもこのような総裁選は極めて異例であることは確かだと思う。この未曾有の総裁選を私たちメディアの人間がどう伝えるか、私個人も心して臨みたいと思う。
〈執筆者略歴〉
後藤 俊広(ごとう・としひろ)
TBSテレビ報道局 解説委員
1972年生まれ
1996年TBS入社
2004年からおよそ20年間政治報道に携わる
2017年与党キャップ
2018年官邸キャップ
2021年から2024年6月末まで政治部長
2024年7月から現職
【調査情報デジタル】
1958年創刊のTBSの情報誌「調査情報」を引き継いだデジタル版(TBSメディア総研が発行)で、テレビ、メディア等に関する多彩な論考と情報を掲載。2024年6月、原則土曜日公開・配信のウィークリーマガジンにリニューアル。