立憲民主の新代表に誰がなるかも影響か
また私は、自民党総裁選に先んじて始まった立憲民主党の代表選挙(9月7日告示・23日投開票)も総裁選に大きく影響を及ぼすと見ている。

立憲は今回4人(届け出順・野田佳彦元総理、枝野幸男前代表、泉健太代表、吉田晴美衆院議員)が立候補した。元総理の野田氏が出馬したところに立憲民主の本気度が伺える気がする。
その野田氏は出馬会見で代表選の争点の一つに「政治改革」を掲げることを表明した。
「私はいま、政治に金をかけすぎてると思うし、それに対して深い反省もないということに強い問題意識を持っています」(8月29日)
そして、自民党の裏金事件を念頭に議員定数の削減や世襲議員の禁止などを政策テーマに掲げて代表選を戦う考えを示した。
こうした一連の政策、特に世襲禁止は、世襲議員が多数ひしめいている自民党の痛いところを突いてきたと言って良いだろう。枝野氏、泉氏、吉田氏の他の3候補も方向性は野田氏と同様であろうから、自民の新総裁は世襲禁止を含む「政治改革」という立憲が切るカードにどう対処するか早速問われることになる。
また来る総選挙で新総裁は各地を遊説して候補者の支援に走り回るだけでなく、各メディア等で野党党首と討論を繰り返すことも予想される。そうした意味で立憲民主党の新代表が誰になるかは自民の総裁選びにも密接に関わってくると見られているのだ。
ある自民党関係者は23日の立憲の新代表が決まるまで状況は流動的になると予想し、こう語る。
「例えば演説が達者な人が立憲の代表になった場合、新総裁には相手と渡り合える答弁能力があるか、有権者を引き込むことの出来る演説が出来るか、そう言った能力は重要な判断要素になってくる」