大阪府知事は備蓄米放出を要請

これに先立つ26日、大阪府の吉村知事は、政府に備蓄米を放出するように要請しました。

大阪府の調査では、調査した府内の小売店の8割で品切れだったということで、吉村知事は「備蓄米を倉庫に眠らせておく必要はない」と政府の対応に強く疑問を投げかけています。

実は、政府は大凶作などの危機に備えて、100万トンものコメを備蓄しているのです。

毎年20万トンの新米を買い入れて5年間保管し、5年経ったところで、古くなったコメを飼料用に売却しています。

常に手元に100万トンのコメが備蓄されているという制度で、このために直近の令和4年度には、482億円も支出しています。

毎年4~500億円もの財政負担をしながら、これだけの「コメ不足」に一粒も活用しないなんて、なんと愚かなことでしょうか。

コメの価格は26%も上昇

備蓄米の放出に否定的な理由として、農水省はまず、市場価格に人為的な影響を与えることを上げます。

確かに、市場で形成される価格を尊重することは経済の基本原則です。

しかし、今は主食のコメが店頭から消えているのですから、価格だけの話ではありません。

しかもコメの価格は暴騰しています。30日に発表された東京都区部の8月の消費者物価(速報)では、コメ類の価格は前年同月比で、26.3%もの大幅な上昇です。

主食が急騰した際に政府が市場に介入する行為は正当化されるべきです。