その運命の電話から半年後に2人は結婚、5年の月日が経ちました。

【寛さん】
「一番忙しい時はやっぱり仕込み時なんですけど、それも5年も経つとだんだん慣れてきて、段取りとかも1人でできるようになって来たかなってときに釜が破損したので…。うーんちょっとね、はしご外されたかなって(笑)」
【康代さん】
「結婚して寛さんが来るときに『和釜も大丈夫だし安心してきていいよ』って言って来てもらったんですけど、和釜に穴が開いちゃって『騙されたな!』と(笑)」

岩手県陸前高田市で180年続く実家のみそ蔵を父から継ぎ、8代目となるはずだった寛さん。今は、この新潟市南区で康代さんとともに、『糀屋団四郎』の歴史を守ろうとしています。

"和釜製法"を貫くことに決めた2人は、肝心の和釜を作ってくれるメーカーを探し回りました。

そして辿り着いたのは、なんと岩手…。
【康代さん】
「寛さんのふるさとと同じ岩手のメーカーに和釜をお願いしたから、さらに立派な釜が来てくれるということで、楽しみ」
【寛さん】
次の100年に向けて、という思いで」

作ってもらうのは直径1.2mの特注品。
さらに、釜を支える「かまど」の補修も必要ということで、およそ700万円という高額な費用がかかることに…。

そこで考えたのがクラウドファンディング。
300万円を目標に今月20日にスタートさせたところ、わずか1週間で170万円が集まるほどの大きな反響がありました。