新潟市南区のみそ蔵・『糀屋団四郎』の4代目である夫の寛さんは、岩手県陸前高田市の出身です。
じつは、実家は180年の歴史を持つ『和泉屋本店』というみそ蔵。
寛さんは8代目として父の跡を継ぐ予定でした。

しかし、2011年の3月11日…。
押し寄せた津波は、寛さんの暮らしを一変させました。
【寛さん(当時)】
「家の建物の基礎しか残ってなかったので、『家が流された』ということを受け止めることができました。もう…人生変わりましたね、価値感含めて」

父と祖母を亡くし、住む家も、大切な蔵も失いました。
蔵の再建も叶わず、みそ造りを諦めかけていた2019年、再び人生を変える出来事がありました。
【寛さん】
「康代さんのお母さんから突然電話が入って来まして…。『もしよかったら新潟に来てみそを一緒にやりませんか?』と」
大学で醸造を学んでいた頃からの友人だった寛さんと康代さん。
学生時代に、寛さんが『団四郎』へ研修に来た縁もあり、当時、闘病中だった康代さんの母・和代さんが、寛さんに娘の結婚相手として新潟へ来てほしいと電話をかけたのです。
