「赦すという態度」獄中の経験を信者らに語ることはなかったメルシエ神父

 メルシエ神父は日本の降伏に伴い解放されましたが、獄中での経験を信者らに語ることはなかったといいます。報告書も長らく非公開にされ続けました。

 (五百旗頭邦夫さん)「メルシエさん自身はとにかく自分が受けた苦しみとかは一切言わない。赦(ゆる)すという態度だった」

 のちに、憲兵のひとりが「アメリカ軍に告発しないでほしい」と嘆願した際も“決して告発しない”と赦しを与えたというメルシエ神父。その後、三田や神戸で司祭を歴任し、日本でその生涯を終えました。