■校長は認めていたが「ここだけの話、操作されてるかもしれん」


問題が発覚した2006年2月。父親は、校長と面会した際の音声を録音していた。校長は、いじめがあったことを認めていた。

校長
「廊下に引きずられて何人かで」

Aさんの父親
「足でみんなに踏まれているとか、蹴られているような。けっこう痣はあったんですよ。お風呂一緒に入って『それどないしたんや?』って聞いたら、こけたとか」

校長
「本当にすごかったでしょ、いじめの回数とか。本当に私、まとめながら涙が出てきました。許されへん」

しかし、この1か月後。校長の態度が一変する。

校長
「これ僕の口から聞いたって言わんとって。ここだけの話ね、ひょっとしたらね、操作されてるかもしれん」

Aさんの父親
「何を操作ですか?」

校長
「いじめがなかったってことに」

Aさんの父親
「誰が操作してるんですか?」

校長
「はっきりわかりません」

突然、「いじめはなかったことになる」と言い出したのだ。それ以降父親は、学校を指導していた教育委員会が「いじめを隠ぺいした」と訴え続けてきた。

発覚から4年後の2010年。教育委員会の幹部は、市議会でこう証言した。
神戸市教育委員会 指導部長(当時)
「被害を受けたと主張されている児童の保護者の方から『子どもにもう直接話を聞かないでほしい』という強い要望が学校の方にあったと聞いております。学校での聞き取りの協力が得られなくなったために、双方の児童から聞き取りが十分に行えなくなったと」

親の強い要望で学校は調査できなかったと主張した教育委員会。

その場で聞いていたAさんの父親
「すいません委員長!被害者の父親なんですが、発言を認めていただけないでしょうか。今の説明は虚偽説明です。その部分だけを1、2分で簡単に説明しますので。発言を認めていただきたいんですが」

発言は許されなかった。

Aさんの父親
「被害者の父親が息子に話を聞かないでくれと、学校の調査を妨害したと言ってましたよね。全くそんな事実はないんですよ」

そして、2016年。

Aさんの父親
「何が足らないんですか。全体見るって全体像わかってるじゃないですか。何が不足してるんですか?」

教育委員会の担当者
「その時におけるお子さんの証言だとか、そういうこと自体が当時把握できていない」

しかし、2020年、父親の陳情が初めて認められ、ついに第三者委員会が設置された。すると・・・