「ふるさと納税」 制度の問題点と経済効果
――ふるさと納税は非常にいい制度で、たくさんの人が利用している。

千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
この10年間で最も日本の政策で成功して、最も国民に支持された政策だと思う。なおかつ地方自治体がそれぞれ工夫をして返礼品を出しているので、自治体の意識がガラッと変わった。今まで地方自治体は東京に出てきて、総務省や議員を回って「地方交付税交付金1円でも多くください」とお願いして歩くのが仕事だったが、新しい工夫でふるさと納税を集められると(意識が)劇的に変わったと思う。

こうした中でポイント制を規制、禁止しようという動きが出ている。寄付をする人は、多くの場合、仲介サイトを通じて自治体に寄付をしているが、その仲介サイトから付与されるポイントが2025年10月以降禁止される。
――総務省が目の敵にしているが、ダメなことなのか。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
ポイント自体は、様々なものに関連してもらえる。ふるさと納税だけではない。いろんなサイトが企業努力でポイントを出しているので、ふるさと納税だけ「けしからん」と言って、国が規制するというのは、どう考えてもおかしいと思う。
――確かにポイントの原資がどこから来ているのか、原価に上乗せされてるのか、企業努力か、線引きできない。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
難しい。楽天が「ポイント禁止されたからといって手数料が下がるわけではない」と言っていて、多分事実だと思う。だから民間の企業努力に国が口を出すというのは、どう考えても愚策。あまりにも反発が大きすぎて戸惑っているのではないか。
――現実問題として仲介サイトを使わないと、多くの人はふるさと納税をしにくい。
千葉商科大学教授 磯山友幸氏:
「ふるさと納税」のサイト同士が激しく競争している。手数料自体も一定に決まっておらず、競争をして手数料を払っていた。むしろ競争をやめさせて、この制度を壊したいという感じがする。