「メザシ」と自衛官が自嘲する立神岸壁
佐世保の岸壁は《大きさ》だけでなく《数》も不足していると香田さんは指摘します。海上自衛隊立神岸壁。ここでは護衛艦が何隻も横並びに係留されています。海上自衛官らはこの状況を自嘲の意味も込めて「メザシ」と呼んでいます。岸壁不足から起きる現象です。

海上自衛隊OB 香田洋二さん:
「保有する艦艇の数に比べて、係留施設は極端に不足しています」
注目される「崎辺エリア」
佐世保の自衛隊が抱える岸壁の問題。これを解決するものとして、今《ある場所》が注目されています。佐世保港内の「崎辺エリア」です。
海上自衛隊の「教育隊」のほか「水陸機動団崎辺分屯地」があり、水陸両用車運用部隊の司令部もおかれています。そして、それらに隣接する形でいま海上自衛隊の《大型岸壁》の工事が進められています。

完成予想図には既に「いずも」と思われる大型護衛艦や水陸両用車を搭載できる輸送艦が描かれています。将来的には水陸両用車を保管し新しい岸壁から輸送艦に積み込めます。
陸自水陸機動団 北島一団長:
「こうした施設が完成すれば崎辺地区の陸上自衛隊崎辺分屯地に所在するAAV7をダイレクトに海上自衛隊の輸送艦に搭載することが可能になります。これは運用の効率性、迅速性を飛躍的に高めるものであり、水陸機動団の運用能力は一層向上するものという風に認識をしています」