日本海軍の拠点だった崎辺
抑止力の向上につながる今回の整備は、一方で基地としての佐世保をさらに先鋭化させるという見方もあります。崎辺は第二次世界大戦中、連合艦隊の目となる航空部隊の拠点でした。その崎辺が令和の時代に展開部隊の基地として整備されているのです。

佐世保の陸海の自衛隊が抱える運用上の問題を一気に解決し、自衛隊の持つ抑止力を大きく向上させる崎辺の岸壁工事。予算は現在までの計上分で314億円で、自衛隊としては《過去に例がない大規模な陸海統合運用拠点》です。

完成予定は5年後の予定で、現在は佐世保にある自衛隊基地の補完的な役割を果たしている崎辺に、佐世保の自衛隊基地の主力が大きくシフトする可能性があり、自衛隊の歴史の中でも過去に例のない「大きな意味」を持つ施設になりそうです。
「《あの時》から佐世保の基地としての意味合いと機能は大きく変わった」ー仮に数十年後、歴史を振り返った時に思いあたる《あの時》、それが今なのではないか今回の取材を通して強く感じました。