島根大学教育学部 附属教師教育研究センター　津多成輔さん
「今は学校に求められるものが増えて、授業だけやっていればいいという状況ではなくなっています。
いろんな機関、地域との連携だったり、もう何から何まで求められるようになった一方で、教員定数といって学校の先生を何人配置するかというのは、近年、若干の改善がみられるものの、昔から大きく変わってないというのが現状なんです。

仕事は増えているけれども人員は一定数というところで、業務がパンクしちゃうという状況に今あるということです。」

大量採用世代が定年退職期を迎えたこと、非正規雇用の「講師」が減少していることなどから、今、慢性的に教員が足りない状況が続いているといいます。

島根大学教育学部 附属教師教育研究センター　津多成輔さん
「実のところ、新卒の教員志願者はそこまで減っていないんです。減少しているのは、既卒の教員志願者。近年の大量採用で既卒志願者が多く採用されたことに加えて、これまでは何年も浪人して教師を目指していた人たちが、講師をやるくらいなら一般企業へ就職するという選択肢を取るようになった、という可能性もあると思います。」

時代の流れから揺らぐ教師の立場。
「教員不足」が加速する今、どう対処していけばよいのでしょうか？

島根大学教育学部 附属教師教育研究センター　津多成輔さん
「先生の数がいっぱい必要になっている一方で、今後人口が減っていく流れの中、教員志願者の大幅な増加というのは望めない。
その少ない志願者をきっちり大学で養成して自治体で採用して、 研修等を通じてしっかりスキルを身につけていただくというのが大事なことかなと思います。
地域の先生はまずその地域で養成するということも大事になる。
各都道府県で状況は異なりますが、
自治体がやや楽観的すぎる見方をしていたり、実態把握がちゃんとできてなっかたりというところがありますので、ちゃんと各自治体の教育委員会が自分たちの自治体の状況を把握して、それに即した政策を立案していくことが重要なんじゃないかなと思います。」