今回の問題点 1つ目は「憶測で他人の性を議論、決めつけること」

 スポーツとジェンダーに詳しい中京大学スポーツ科学部の來田享子教授は、今回の問題を2つ指摘しています。1つ目は、「憶測で他人の性の話を議論すること」これ自体がプライバシーの侵害ではないか、まして決めつけで「トランスジェンダー、DSD」と決め付けて話すことを、もっと繊細にならなくてはいけないと問題視しています。

 ハリフ選手の父親は、「昔から女の子として育ててきた、トランスジェンダーでもない。法律的な証書でも女性と認定されています」と証言しています。それ以上のことを第三者が深く追及すべきではないし、それを知るために何か検査があるということ自体、人権侵害ではないかと指摘しています。

 DSDについては、ハリフ選手本人は何も言及していませんし、家族も発言していません。來田享子教授は、「それを追求することはしてはいけない。個人の性などプライバシーの繊細な部分は触れないことが世界のスタンダードになってきています」と話しています。