見るのをやめて損した「街並み照らすヤツら」
田幸 意外と見られてないんですけど「街並み照らすヤツら」(日本テレビ)がおもしろかった。最初の1、2話だけだと、割とドタバタのコミカルものに見えて、やめちゃった人が多いと思うんですけど。
影山 僕、そうです。
倉田 私もそうでした。
田幸 それでも見ていくと、コミカルとシリアスのバランスがうまくて、裏社会の話とかを描きながらも、最終的にはやっぱりそれをよしとはしない。笑いばかりで終わらないところが、やっぱり脚本の高田亮さんはお上手だと思いました。これは見続けてこそだと感じます。ただ、途中でやめちゃった人が多いので、もう少し最初からそのバランスを見せてくれてもよかったという気がします。
「花咲舞」と「半沢直樹」、そして本田翼
倉田 「花咲舞が黙ってない」(日本テレビ)。前作まで主演していた杏さんの印象が強かったんですが、今田美桜さんならではの「花咲舞」になっていたと思います。若い子が偉い人にビシッと言うのは、見ていてすっきりしますし、よくぞ言ってくれたという、何か代弁者になってくれたみたいなところもあります。
影山 池井戸潤さん原作ということで「半沢直樹」を出してきた。劇団ひとりさんのキャスティングがベストかどうかは、好みがあるでしょうが、あの辺のうまさですね。
田幸 これも続編ですが「6秒間の軌跡 花火師望月星太郎の2番目の憂鬱」(テレビ朝日)は高橋一生さんと橋爪功さんのかけ合いが、それだけですごくおもしろい。あと、役者としての評価が分かれる本田翼さんですが、この作品での本田さんはすばらしい。この三人のやりとりをずっと見ていたい、楽しい作品でした。やっぱり脚本の橋部敦子さんは日常会話を描くのがうまいなと思います。
倉田 ストーリーが終わった後に、橋爪さんが視聴者からのお手紙を読み上げて答えるという部分があります。後ろの方で、高橋さんと本田さんがツッコミを入れたりして、私は何げにあのコーナーが大好きなんです(笑)。
影山 橋爪さんのポーカーフェースというか、すっとぼけた感じがいいですよね。たしかに本田さんは演技についてあれこれ言われますけれど、このドラマに関しては本当にはまり役というか、ご本人もそれを意識している感じがします。気がつけばいい俳優さんに育っているということもよくある話ですから、この作品をきっかけに、そうなってほしいと思います。














