国産初のバルーンカテーテルが完成 「また、1人の命を助けることができたのね」

1989年、2年をかけて開発した国産初の「IABPバルーンカテーテル」が完成。佳美さんも完成を喜んでくれたといいます。

(東海メディカルプロダクツ・筒井宣政会長)
「『十分やってくれたから、私のことはもういい』と。私は経営者だから『(「IABPカテーテルを)一本使ってもらったよ。売れたよ』と言うが、あの子は全然違う。『また、1人の命を助けることができたのね』と言う。人の命をすごく大事にしていたから」

1991年、父親が開発したIABPバルーンカテーテルの成功を見届け、佳美さんは23歳で亡くなりました。娘の命を救おうとする努力の末に生み出されたカテーテルは、これまでに世界で約17万人の命を救っています。

5月29日。名古屋市内で映画「ディア・ファミリー」の公開記念イベントが行われ、筒井さんを演じた主演の大泉洋さんが作品について語りました。

(筒井さんを演じた大泉洋さん)
「大切な娘を失った家族の話ではなく、亡くなっていく娘との新しい約束『自分の命はいいから、技術を多くの人のために使ってほしい』という夢を叶えるために頑張った家族の話」