「お父さんが治してやる」娘の命を救いたい
(東海メディカルプロダクツ・筒井宣政会長)
「娘に『もう手術はやれないそうだから、死ぬまでそのままにしておきなさい』とは言えない。できるかできないかはともかく、お父さんが治してやると」
当時プラスチック製品を作る会社を経営していた筒井さんは、娘の命を救いたい一心で、自ら「人工心臓」の開発に乗り出しました。8年の時間をかけて実用化まであと少しにこぎ着けますが、大きな壁にぶつかります。
(東海メディカルプロダクツ・筒井宣政会長)
「そこまでで8億円を使った。(ここから動物実験などで)2000億円必要と言われても、家を売ることぐらいしかできない」
結局、筒井さんは人工心臓の開発を、断念せざるをえませんでした。しかし、人工心臓開発で培った技術をいかし、新しく心臓用のバルーンカテーテルの開発を始めます。当時は欧米人の体格に合わせた大きな物しかなく、日本人に使う際に医療事故も起きていました。

(東海メディカルプロダクツ・筒井宣政会長)
「うちの子の心臓は救えないのは、分かっていた。でも、ここまで10年やってきて、やめるのも。これを改善して作れば、絶対に生きていたのにという人が大勢いる。そういう人を救いたいというのもあった」
