研究は害虫「アリモドキゾウムシ」の駆除につながる
この研究により、捕食回避か交際相手の探索か、動物の生存戦略に新しい視点をもたらしたという点に学術的な意義があります。
さらに、研究で実験につかったアリモドキゾウムシはサツマイモの世界的重要害虫として知られていて、社会的にも基礎的な生態を解明することが防除戦略を考えるうえでも役立つ可能性があります。
琉球大学の日室千尋さんは、「たとえば、アリモドキゾウムシを天敵で駆除する場合、オスが死んだふりをすれば駆除率が下がるが、同時にメスの性フェロモンを利用すれば死んだふりが解除され、天敵に食べられやすくなるのではないか。また、メスの性フェロモンでオスをおびき出し、駆除することもできるのではないか」と話しています。
日室さんは、これまでにも久米島や津堅島で、アリモドキゾウムシに放射線を照射して「不妊虫」をつくり、それをヘリコプターや人の手で散布することで、天然のアリモドキゾウムシの交尾を阻害し、根絶することに成功しています。
