「飢えている」「生き延びるためにリスクを冒す」原油ゲリラは語る

23ジャーナリスト 須賀川拓 記者
「油の臭いがしてきました。あそこ、空の向こうがオレンジ色ですよ」

ジャングルの中を移動して1時間ほど。突如として開けた場所で、それは行われていました。
女性が黒い液体を炎に投げ込み、巨大な炎が立ち上ります。原油を盗む“原油ゲリラ”です。

23ジャーナリスト 須賀川拓 記者
「火にくべられている巨大なドラム缶の中に原油が入っているんです。原油を火でたくことによって、蒸留されるんです」
原油ゲリラは、北海道と同等の大きさのデルタ地帯に張り巡らされた石油会社のパイプラインに穴をあけ、盗んだ原油を火にくべてガソリンやディーゼルを抽出します。
精製所の数は当局も把握できておらず、現地の報道によると、過去12年に約2000億円換算の原油が盗まれたということです。


23ジャーナリスト 須賀川拓 記者
「これがタンクだそうです。中で沸騰してるんじゃないか?すごい音がしてる。足元に垂れまくっているんだけど、(原油ゲリラは)裸足なんだよ。めちゃくちゃ危ない。しかも素手だし」

違法燃料を精製 原油ゲリラ
「(Q.危険ですね)本当に危険だ」
「(Q.違法だと理解しているのか?)もちろんさ」
「(Q.違法だと分かっていて、なぜ続けるのか?)飢えているからだ。生き延びるためにリスクを冒してきた」