冷たい風と暖かい風がぶつかると…梅雨前線が活発化し大雨に

 

 立花教授は、北極からの影響も注視しています。

 「大雨の材料となる、暖かい海から生まれた暖かく湿った空気の流れは、何もなければ日本付近を素通りするだけですが、反対側に空気の流れを止める存在があると雨雲は大規模に発達します。それが、オホーツク海高気圧の存在です。6月や7月になると、比較的冷たいオホーツク海上に高気圧が生まれ、オホーツク海高気圧がもたらす北東からの風『ヤマセ』が、南からの暖湿流とぶつかり合うことで、梅雨前線の活動が活発になり大雨が降ることがあります」

 2018年の西日本豪雨も、台風をはじめとする熱帯由来の暖湿流が強化されたことに加え、オホーツク海高気圧が出現したことも原因の一つだと考えられています。

 立花教授によると、北極周辺の温暖化の影響により、高緯度の上空を吹く偏西風が大きく蛇行する傾向にあるそうです。偏西風が北に膨らむように吹く領域で、オホーツク海高気圧の勢力が強まります。