「自分はみてる人になるのか。本当にそれでいいのかわからない」

芽生さんの日記

芽生さんは当時の思いを日記に綴っている。

【芽生さんが日記につづった思い】
学校でいじめみたいなのがあって、そのまじめな子に『死ね』『いなくなれ』って聞こえる声で言ってる子がいる。私はまじめな子に話しかけられて話してたら『その子は嫌われてるから離れた方がいいよ』って言われる。自分はみてる人になるのか。本当にそれでいいのかわからない。本当にごめんなさい。

芽生さんは、男の子を助けたいと思い担任に相談したが、「本人は気にしていないから大丈夫」と言われた。その後、何度相談しても、いじめはなくならなかったという。

芽生さんは次第に学校に行こうとすると頭痛や吐き気を感じるようになる。2学期に入り、母親と一緒に相談に行き、教室に入ることが怖いと訴えた。

しかし、担任から返ってきたのは、あまりにすげない言葉だったという。
「社会で生きるためには我慢しないといけない」
「他の学校でもあること」
芽生さんはこの言葉をきっかけに不登校になった。

「『我慢しなくてはいけない』って言われた時に、先生に相談しても何もできない、理解されないと思って諦めたという感じ…。人が死んだらわかる。死なないとわからないんだろうなと思ってしまう」

文部科学省の調査によると、不登校のきっかけとなった理由として「先生のこと」を挙げた生徒は小中学生ともに3割前後に達し、上位を占めた。いずれも、いじめを含む「友達のこと」よりも多い割合だった。