学校に行きたくても行けない

いじめを見て見ぬふりができなかった


新学期になったら学校に行こうと思っても、怖さを感じてしまう。目標を作って一歩踏み出したい気持ちと、不安が入りまじっている。

「(気持ちが)落ちたときに思うことは、自分は周りに迷惑をかけている、学校に行かないことで迷惑をかけるんだったら、自分がこの世界からいない方がよかったのかなと思います。出席日数も必要だから高校受験が不安…」

2022年8月、夏休みが明けた新学期。不登校の子どもが学校に通うようになったり、逆に増えたり節目となる時期だ。

2学期が始まっても、芽生さんは学校に行けなかった。母親の肖子さん(55)は落ち込む愛娘に静かに寄り添う。

「大丈夫。大丈夫」

母に優しく見つめられた芽生さんの目からは、涙がこぼれだす。

母と娘2人だけのドライブで、芽生さんは胸の内を話し始めた。

「本当は楽しく学校に行って、楽しく過ごしているはずだったのに、なんでこんな理不尽なことで自分が苦しむの」