募る“学校への不信感”

中学校は取材に対し、「いじめがあったかもしれない。加害生徒には注意をした」と答えた。そして、芽生さんへのメッセージとしてこんな言葉を連ねた。
「まずは学校に来てほしい。少しずつやる気になって、社会で通用する生徒になってほしい」
学校からすると芽生さんは「やる気」がなく、このままでは「社会で通用」しないそうだ。
大人や学校に対する不信感は簡単には拭えない。友達と勉強したり、行事に参加したりもしたい。でも、学校は怖い場所。自分を責め、消えてしまいたい、と思ったこともある。
「学校はわかってくれない、理解されない。自分の気持ちは世の中に通用しない。車に飛び込もうとしたときもありました。そのときは、自分じゃないみたいな。もう嫌だなという感じ」
学校や先生に相談しても理解してもらえない。2022年9月、芽生さんはある人物に手紙を出すことにした。届ける先は学校や教育委員会ではない。日本のトップ、総理大臣だ。
岸田文雄総理への手紙は約1600字にもなった。

【芽生さんが岸田総理に充てた手紙】
たいていの先生は、そのいじめられていた子が死んでしまった後に『知らなかった』『調べたけど見つからなかった』『調査した』などと言い訳をし、死んだ子供がいても学校はまた同じことの繰り返しをする。
提案があります。いじめ、虐待などの専門家の人を学校に配置してください。
理由は担任の先生は手が空いてなく、生徒をきちんと見られないからです。いじめている子は、もちろん悪いですが、その子も事情があるかもしれない。ストレスをどこにぶつけたらいいか、わからないかもしれない。なので、いじめてる子にも向き合ってほしいです。
助けてください。他人事にしないでください。未来を照らしてください。この世界を変えてください。お願いします。
(MBS報道情報局 吉川元基)(年齢・肩書は取材当時)