
厚生年金と国民年金は、基本的に支給開始は65歳からとなっています。
これが70歳になることはあるのでしょうか?
加谷氏は「生活の困窮に直結するので、すぐに受給年齢は引き上げないだろう」と話します。
経済評論家 加谷珪一氏:
なかなか難しいんですけれども、年金を払う年齢を遅らせれば政府としては楽になるんですけれども、早く年金をもらいたい方もいるわけですよね。
今「繰り上げ」して早くもらうこともできる仕組みにはなっているんですけど、私は当分65歳の支給開始は動かないんじゃないかと思っています。
その分少し年金が減って長く働いてくださいねという形になるんじゃないかと予想しています。
小林由未子アナウンサー:
健康でいるというのが前提条件ですよね。
経済評論家 加谷珪一氏:
どうしても体が動かなくなってしまうとやはり年金だけが頼りということになりますから、その分はちゃんとケアをしていかないと社会がうまく回らなくなってしまいますからね。

国民年金に関しては、納付を5年延長するという案も出ています。
今納付は60歳までですが、これを65歳まで5年間延長することで、約100万円納付額が増え、受給額もその分増えるというものです。
経済評論家 加谷珪一氏:
皆さん、この話を聞くとさらに5年多く保険料を納めなきゃいけないかと思っちゃうんですが、さっき申し上げたようにほとんどのサラリーマンの方が今65歳まで働きますので、もう保険料は納めているんですよね。
ですので本当に負担が増える人は、60歳で辞めてしまった方です。もし5年延長になると、残り5年分払ってくださいということですよね。
また、国民年金だけに加入してる方も、今まで60歳で終わりだったのが65歳まで伸びる。ただ、たくさん払った分だけ年金の額は増えます。
今後の動き

≪6月ごろ≫
政府は、男女・若者・高齢者を問わず誰もが希望に応じて働き続けられるよう全世代を対象としたリスキリング(学び直し)の強化に向けた必要な方策を「骨太の方針」に盛り込む考えです。
≪夏ごろ≫
年金の将来の給付水準を点検する「財政検証」の結果が公表されます。
経済評論家 加谷珪一氏:
骨太の方針にどんな方針が盛り込まれるか、財政検証でどんな話が出てくるかで来年の通常国会の法案が決まります。
ただ選挙があるのか、総裁選があるのかなど政治もいろいろ動いていますので、皆さんよくチェックしておいた方がいいと思います。
コメンテーター 山之内すず:
今現役で働く世代としては納付してくれる方が増えるというのはありがたいなとも思うんですけど、私達の世代が歳を重ねたときにどうなっているのかという不安もあります。
年の重ね方もそれぞれ違うと思うので、働きたい方は働けて、年金をしっかりいただける方はいただける、ライフスタイルに合わせた選択をできるのが何よりなのかなと思います。
恵俊彰:
選べるということが一番幅があっていいことなのかもしれませんね。
経済財政諮問会議で定年について語ることが、経済の話に直結する時代なんですね。
(ひるおび 2024年5月27日放送より)
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<プロフィール>
加谷珪一氏
経済評論家 元日経BP記者
著書に『貧乏国ニッポン』
中央省庁などに対するコンサルティング業務に従事














