「実際にやったあなたにはわかっていると思う」

2024年5月17日、静岡地方裁判所沼津支部が元警察官に下した判決は、懲役2年6か月、執行猶予3年。量刑の理由として、「手口が巧妙で悪質性が高く、警察に対する信頼を損ねたという社会的影響も看過できない」などを挙げた。

また、元警察官の「仕事上のストレスに苦しんでいた」という主張については、「正当化する事情とはいえない上、警察官という法の遵守を強く求められる立場にあったことからすると、酌量の余地はなく、強い非難を免れない」として退けた。

一方で、元警察官は、女性2人に対して慰謝料などを払い、示談が成立していること、懲戒免職処分を受けるなど、すでに社会的制裁を受けていることなどを挙げ、酌むべき事情は存在すると判断した。

最後に、静岡地裁沼津支部の奥山雅哉裁判官は元警察官を諭した。

「悪質性が高い犯行と指摘しましたが、そのような表現では言い尽くせないものであることは、実際にやったあなたにはわかっていると思います。医療機関への通院はあなたの助けになると思います。大変だと思いますが、新しい道を一歩一歩進むことを期待します」