厚み約15メートルの氷河は約7メートルに減少 12年ぶりにキリマンジャロを撮影

今年2024年に撮影したキリマンジャロ山頂の氷河

そして第四回の登山を行った今年、2024年。果たして、山頂の氷河は残っているのか。撮影隊は標高5756メートルのステラ・ポイントまで登り、ここを起点に山頂の氷河の撮影を行いました。2012年の前回撮影から12年…氷河は驚くほど小さくなってしまい、厚みも約7メートルにまで減っていましたが、まだ残っていました。

今年2024年に撮影した氷河は厚さ約7m

雪も残っていたため、映像だとちょっと分かりづらいのですが、雪の中に氷河の氷の壁が立っている所をしっかりと撮影することができました。温暖化の進行が遅くなったのかは判然としませんが、キリマンジャロの氷河の消滅時期は2050年頃という、延長した予測も出ています。この第四回のキリマンジャロ撮影の様子は、9代目の鈴木亮平さんのナレーションで放送する予定です。

2004年・2012年・2024年のキリマンジャロ山頂の氷河対比

2004年・約30メートル→2012年・約15メートル→2024年・約7メートル。キリマンジャロの氷河の変化を、番組は記録し続けてきました。手前味噌ではありますが、きわめて貴重な映像だと思います。その映像もハイビジョン以前のSD撮影からハイビジョン撮影、そして今年は超高精細の4K撮影へと進化してきました。それは放送スタート時から「最高の映像で世界遺産を記録し、後世に残す」というのが番組コンセプトだったからです。

今年2024年まだ雪の残る中氷河に向かう撮影隊

次回、番組がキリマンジャロに登るのは何年後になるのかまだ分かりませんが、さらに高精細の8Kで撮影を行うことになるでしょう。そのとき、果たしてキリマンジャロの氷河は消えずに残っているのでしょうか。

執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太