能登半島地震の被災地では、自治体が所有者に代わって建物を解体・撤去する「公費解体」の受け付けが、各地で本格化しています。一方、まちなかには、未だ倒壊した家屋が発災当時のまま残されている場所も少なくありません。
そこには、過疎化が進む能登半島ゆえの、一筋縄ではいかないさまざまな課題が横たわっています。公費解体の「今」を取材しました。

地震発生から4か月近くがたった先月28日。元日の地震で傾いていた建物が、突然、崩れ落ちました。
映像を撮影した人は…
「最初は旦那が車から降りたらメキメキ聞こえると言って。(建物の)後ろ側が崩れてたらしい、怖かったしビックリの方が強かった」

元は旅館だったこの建物は、地震で「全壊」と認定。すでに先月、公費解体の申請を済ませ、工事の順番を待っている状態でした。倒壊した家屋を横目に、2次災害への不安を漏らす住民もいます。

記者リポート
「数十年も人が住んでいない空き家なんですが、今回の地震で倒壊し、隣の住宅に寄りかかっています」
珠洲市飯田町に住む橋本昌一郎さんが気がかりなのは、自宅にもたれかかった空き家。「地震の前から潰す、潰さないみたいな話はしてたけど。持ち主さんにお願いして緊急解体の申請をしてもらったんです」と話していました。

地震で倒壊した衝撃で、飛んできた屋根瓦が自宅の窓ガラスを割りました。空き家の解体が進まない限りは自宅の工事の見積りも取れず、不安は募るばかりです。
自宅の隣にある空き家が倒壊・橋本昌一郎さん
「2次避難で加賀に行っているのですぐには戻れない。いや~困ってます、早く撤去して」