さまざまな生徒を受け入れるための工夫

開校した「天神スクール」は、いろいろな立場の生徒を受け入れるため、他の学校にはない工夫もみられます。

ハード面でいうと、体が不自由な生徒でも使えるようバリアフリーのトイレが新設されたほか、照明は明るくて目に優しいLEDが採用されました。

そして、授業は1コマ40分。通常の中学校は50分ですが、天神スクールに通う生徒の対象は県内全域で、福島市以外から通う人もいます。帰りのバスや電車の時間に遅れないように、あるいは働く生徒でも無理なく学業が継続できるようにという配慮から、通常より短い時間が設定されています。

課題の1つは、遠方から通う生徒の交通費です。今回、郡山市から通う生徒もいて、福島市では住んでいる市町村に交通費の補助などを求めていますが、郡山市では「対応する予定はなく、検討もしていない」としています。

ただ、同じように通う学校が限定される特別支援学校には、遠方から通う生徒に交通費を補助する制度があります。ハード面だけでなく、こうしたソフト面でも、学びを支える制度の充実が求められています。