中国・女子テニス選手めぐり「IOCは政治的過ぎる」 2022年の日中関係は「悪化するが…」

―――そして最後に中国についてです。11月2日、張高麗前副首相から性的関係を強要されていたことをテニス女子ダブルス元世界ランク1位の彭帥選手(35)がSNSで実名で告白しました。その後、彭帥選手は消息不明になりましたが、中国国内で一切報じられませんでした。そんな中、11月21日、IOCのバッハ会長が彭帥選手とテレビ電話している様子の静止画が公開されました。彭帥選手は「北京の自宅に住んでいて安全で元気」と述べたようですが、今も公の場に姿を見せていません。上海支局の記者に聞いたところ、彭帥という名前でネット検索してもできないと。何かしらの情報統制が敷かれていますが、橋下さんはこの一連の流れについてどんなことを思いますか?
「僕はもともとバッハさんのこと大嫌いだったんで。東京オリンピックのときからね。彼は200万円ぐらいのスイートに泊まっていたんでしょ。バッハさんはちょっとね政治的過ぎると思う。本当に安全確認をIOCとしてやるっていうんだったら、誰もが納得するように動画だったり、IOCだけじゃなくてちゃんと西側先進国のね、その監視をするような第三者がちゃんと入るとか。静止画だけ出して大丈夫ですって誰が信じるんですか。ちょっとIOCは政治的過ぎる。やっぱりどうしても(オリンピックを)北京でやりたいもんだから、中国寄りで、かえってこういうことをやるとマイナスだと思うよ。あともう1つ、女性をめぐる問題について、森喜朗元会長の発言はやっぱり悪い部分はあったと思う。女性の会議は長いっていうところでオリンピックの会長まで辞退させられたんですよ。この張高麗さんは北京オリンピックの主導権を握っていたわけでしょ。こんな話になって、あのとき森さんに対してガンガン言っていたいろんな“日本の主張の強い人たち”はなんで言わないの。今シーンとしちゃって。僕はオリンピックやってもらいたいけど、森元会長は『女性の会議長いね』と、これも駄目だけども、それで降ろされた。実名告白されるようなことやってるその北京オリンピックに何も声出さないの?その人たちは。そこアンバランスやわ」

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―――2022年の日中関係は良くなるのか悪くなるのか。事前に視聴者にアンケートをしたところ、「悪化する」が83%という結果になりました。橋下さんはどうでしょうか?
「これはしょうがないです。悪化するんですよ。悪化するんだけど、でも戦争やっちゃいけないし、利益になるところは手を結ぶと。これはもう歴史を振り返ればアテネとスパルタの時代からね、要は、早く繁栄してる国があり、そこに追いつこうとしている国が追いつきかけのときには必ずそれは関係悪化します。もうずっと古代から現代に至るまでの歴史はその繰り返しなんだから。やっぱり中国は1840年のアヘン戦争でね、欧米列強に植民地化されたところの恨みつらみで何とか世界の大国にって、これで今やってきてるわけだから、完全に日本を追い越せ追い越せですから、我々の方としては圧力を感じて、それはいい感じにはならないよね。でも外交としては絶対に戦争を起こしちゃいけないし、利益になるところは手を結ぶっていうのが外交だから。この悪化のまんまでギャーギャー騒ぐようなことをやってるような一部の人たちがいるけど、それは絶対駄目。悪化でいいんです。ただ隣国と仲良くなれるなんてなかなか難しい。でも外交でちゃんと我々冷静に、戦争は起こさない、利益になるところは手を結ぶ、これをやってくれるような政治家に僕は期待しますけどね」 (2021年11月29日放送『よんチャンTV』より)