『国家備蓄石油の放出』政府対応に橋下氏「詭弁です。法律違反」

―――続いては「価格抑制できるのか?異例の国家備蓄石油の放出」ということについてです。今年9月末時点で目標90日分に対して145日分の石油というのを日本は保有しています。これは法律で決まっていて、ある程度キープしておかないといけないと。その余剰分の一部を売却することを岸田文雄首相は決めました。ここはアメリカと歩調を合わせ、現行の石油備蓄法に反しない形で国家備蓄石油の一部を売却し、全体として石油の値段を下げましょうという、アメリカほか各国一緒に足並みを揃えている動きです。石油備蓄法は、石油の供給が不足する事態、例えば紛争や災害が発生した場合に放出していいですよという法律なんですね。今、紛争や災害が発生しているのかどうなのか。備蓄しているオイルの種類を入れ替える通常の行為として売却というのが政府の認識ですが、このあたりを橋下さんは弁護士として、法律をどう解釈するかという話でもあると思いますが、どう見ますか?
「そんな詭弁ですよ。足立さんがよくやる詭弁。足立さんは元官僚で詭弁ばっかりだから。それと同じ。こんなの完全に法律違反です。というか、もっと大原則で考えたら、ここは資本主義の国なんだから、価格に政府が介入するのは基本的にはだめですよ。だから需給調整で、需給で価格が決まっていくんで、そこに政府が入るっていうのは原則ご法度。本来やらなきゃいけないのは、ガソリン税を下げるっていうのが本来のやり方ですよ。これ25.1円、暫定税率で今上がっているんですけどもね。25.1円で暫定税率なんだから、そこを下げるってのが本来の話。これ今補助金入れるじゃないですか元売りの方に。結局、業界団体を支援するのが自民党政治。元売りの方に入れても、本当にガソリンスタンドの価格が下がるかどうかわからないし、ガソリンスタンドの価格を下げろと言ったらこれも独禁法の問題とかいろいろ問題あるんです。それだったら政府がかけているこの25.1円分の税金を下げれば、確実にガソリンスタンドのガソリンは25.1円も下がるんだから」

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―――そういう条項があって、レギュラーガソリン1リットルの価格が3か月連続して160円を超えた場合、その次の月からガソリン税の25.1円分上乗せ分を停止し、その分だけ価格を下げるってことができるというもので、これは2010年の民主党政権時代に成立しました。その翌年に東日本大震災が発生し、復興財源確保のため現在は運用凍結。つまり条件を満たしていても価格を下げられないというのが今の状況ということで。
「これは運用なんですか?何か法律改正が必要だから、時間がかかるからこの凍結解除をやらないとかいう報道も出てて」

―――凍結していて、ただ今回、国民民主党と維新が一緒に出そうとしてるのは改正案。こうしたトリガー条項の凍結解除について次の臨時国会で計るという形ですね。
「もし運用だったら法律改正はいらないし。25.1円下げると確かにいろいろ問題あるんですよ。25.1円下がると思ったら、下がるまでちょっと待つとかね。また次上げる時はどうするのかとかいろいろあるけど、でも補助金として元売りというその特定の業界団体の方に補助金を入れるよりも、税金を下げた方が一般消費者全体の利益には確実。これには1つ政治のやり方として大きな方向性があって、業界団体を助ける政治と、僕がずっと言っているのは、一般の有権者・一般の消費者の方に利益になるような政治。ここは大きな対立軸だから面白いところ。だから自民党と国民民主・維新のこの対立っていうのが」