日本は“魅力的な市場” 周辺国にも影響の恐れ
上村彩子キャスター:
ミャンマーではクーデターから3年以上も軍事政権が続いていますが、薬物のまん延に対する取り締まりはどのようになっているのでしょうか。

村橋記者:
軍や警察による取り締まりはほとんどないと言ってもいいと思います。軍に抵抗する民主派との戦闘で軍は劣勢に立たされているため、もはやそれどころではないというのが実情です。
そもそもミャンマーの麻薬ビジネスには軍も深く関わっていたとみられ、私達が取材した密売組織とつながりのある男性も、軍の幹部が取引の現場に来ているのを見たと証言しました。
軍事クーデターは、こうした麻薬に関わる一部の少数民族武装組織との対立を招き、衝突につながった側面もあるので、問題は複雑化、深刻化していると言えます。
上村キャスター:
内戦状態のミャンマーでは自国による取り締まりが厳しいということなのですね。
喜入友浩キャスター:
日本にも密輸されているそうですが、ミャンマーで混乱が続けば日本への薬物流入は増えてくるのでしょうか?

村橋記者:
影響はさらに広がると思います。日本は覚醒剤の乱用が多い国で、ミャンマーでは1グラムあたり末端価格が2000円以下の覚醒剤が、日本だと6万円くらいになります。密輸組織にとって日本は利益の大きい魅力的な市場と言われていますので、日本でも水際対策がより重要になってくると思います。